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インド南東部 寡婦の問題

突然ですが、カースト制度、というのを聞いたことがありますか?
インドでは、多数派の宗教であるヒンドゥー教身分制度であるカースト制度の文化があります。(現地ではヴァルナとジャーティ、という名称が一般的です)
カースト制度はざっくりいうと上のほうに司祭がいて、ちょっと偉いのが王族や貴族とか、その下に一般人、で、そのまた下に一般以下の「人間に満たない」人間がいる、みたいな構造。
その最下層にあたる人々(不可触民といわれダリットと自称している)がずっと差別されてきた歴史があります。
カースト制度による差別はとてもひどいものだったので、人権保護の考えが世界に広がる中で世界中から批判されて、1950年からカーストによる差別を禁止する法律が整備され始めました。そのかいあってか、都市部ではかなり差別がなくなって、この問題はもう過去の話のように思われています。
でも実際はどうなんでしょう?
現状は地域などに寄って全然違うと思います。あくまで私が訪れた街の話ですが、差別がなくなったなんて嘘、ひどい差別の現状を知りました。

私が会ったのはインドの南東部、スリランカに近い海があるタミルナード州の「ド田舎」カランガレイという街の寡婦の人たち。
寡婦?日本では聞きなれないですよね。
シングルマザー的なイメージですかね、特に、夫が亡くなって一人になってしまった女の人のことです。

※ここからは現地の人たちに聞いた話、一般的な資料と照らし合わせて正しいかどうかは分かりませんが、現地の人の声をまんまお届けしますね。

カースト制度の中で、寡婦たちは不可触民の中でもひどいレベル。
死体より不吉なくらい不吉な存在。
朝に寡婦を見かけたら一日不幸になると信じられている。

寡婦になるとどうなるの、、、?
・嫁ぎ先の夫の家から追い出される
・でも実家にも受け入れてもらえない
・誰も雇ってくれない
・財産は全部夫の家族のものなので一文無し
社会保障なし
・おしゃれ禁止(アクセサリーやメイクにあたるもの、色や柄がかわいい服)

ざっと挙げてもこんな感じ。家もない、お金もない、助けてくれる人もいない、という感じ、、、

これはひどい、と思いましたよね
同じように思った外国のNGOなどが支援に入っているのですが、生活支援などを行ったところで周囲の差別的思想が変わらなければ根本的には何も変わりません。
ですが、伝統文化であるカースト制度に関して外国の人が思想面で介入するのは難しい部分が多いのです。
実際、差別する側もされる側も両方が持つ認識の一つとして
カースト差別はよくないけれどカースト制度は自分たちの大切な文化だ」
というものがあります。その意見が一定数ある以上、やはり制度自体をやめようとか、変えようとかそういうのは違うのかも、とも思います

最近、寡婦自助グループが増えてきています。
生活を助け合いながら、エンパワーメントしあって、勇気をもって周囲にも働きかけています。

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インド 寡婦自助グループ集会の様子



それが少しずつ差別する側にも変化をもたらしてきた例もありました。
今後この活動がもっともっといい方向に進んでいくことを願います

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